桜ヶ丘の物件で、最上階にすむ住人がいた。
昔、会長のところで働いていた、背中に障害をもつS口さんという男性。
どう考えても不思議な、最上階って本当に、ビルの屋上に、掘立小屋みたいなものがあって、そこに住んでいる。
身体の小さい背中に障害のあるS口さんには、この階段祭りのビルは応えるだろう。
でも、ときどき、仙人も買い物にいかないといけないので引きこもってばかりもいられない。
ある日、年に一度の花火大会の日、(いまはもうない。震災を理由になくなっちゃった。本当は財政難だったんだと思う)S口さんと一緒にビールのみながら小さい屋上の窓から花火を眺めたことがある。
S口さんは一人暮らしで話し相手がいないから、時々寂しくなってしまう。
私でよければ。そして昔話をうかがうことになる。
どうしてS口さんが今ここにいるのかという話を伺った。相当ギャンブル好きだったこと。2階でやっていたマージャン店がすごく繁盛していたときのことなど。そして、要。なぜ仙人のようにここにいるのか。亡くなった会長(不動産王と私が呼ぶ)の奥様が、S口さんをここに置きましょう、といったかららしい。かなり気にかけてもらって親切にしていただいたと。
わたし、常々思っていることがありますが・・・。どんなに有名でお金を持っていて偉い人がいたとしても(たとえばビルゲイツとか)そこんちの奥様を敵に回したら終わりだなと。
根回しするなら絶対奥方です。奥方が気に入れば万事回るけど奥方に気に入られなければおしまい。
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