サガンは孤独をテーマに小説にして、読み終わったときに、何か胸がチクリとするような、そんな感じをいつもうける。
所詮人は孤独なんだよ、というような感じ。
しかし。しかし。
本当に本当に孤独になったことってありますか?
なかなか本当の孤独を入手するのは難しいし、たとえ入手しても、今度は寂しくなって孤独を手放してしまう。
私が孤独・・・というか、一人を実感したのは、夏のある日。カルカッソンヌまでスペインからバスで入って、ぽいっとそこにおろされて、まだ宿もありません、フラン(当時フランだった)もありません、シェスタで店はほとんどしまっています、という、あのじっとり暑かった日のことか。
とりあえず、お金を取り換えるところを探し、宿をさがし、荷物を運び、食事をした。
話し相手もいないし、一人で・・・何していたかというと、クロスステッチしていました・・・外暑くて出歩けないし、とりあえずね。あのとき、ちくちくしていたときのこと、今も手に取るように覚えています。何やってんだろう自分。
でもあれが孤独だったんじゃないかと、今思えば。
贅沢な贅沢な時間。
あれをいまヨコセ! といってもなかなか難しい。
でも、難しくても、工面することはできるし、努力しだいなんですよと書いてる本を読んで、なんとなく一人で旅行にいきたい気持ちがフツフツと湧いてきた。
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