クマリン考

P1010214 トンカ豆です。色といい形といいまるでゴ〇〇〇で、これがそっと床に落ちていたら、夜私は間違えるだろう・・・。

こやつが結構値段が高い豆で、人はこれをどうやってつかうかというと、ポプリの中にいれて香りを安定させるらしい。

私は、10年前必死でこやつと刻んで刻んでエタノールにつけて、チンキを作った。色はもちろん茶色っぽい。

ふんわりと・・・クマリン。ふんわりどころじゃないか。恐ろしくクマリンの香りです。

服も鞄も髪もクマリン。桜餅女。

でも、会社始めたばかりの私に、大きなお仕事をくれた山種美術館にとても感謝している。(だって、値段なんてつけようもないような大作がならぶアートのなかの一つとして私が作った香りを使ってくださったのだから・・・)なんどもなんども足をはこび、桜の開花をみた。

10年前だから若かったよねー私も。

このとき、同時に、本をつくる仕事も進んでいて、ほら、聞こえとしては「忙しそう」。たしかに忙しいは忙しいんだけど、金がない。

会社やめちゃって、退職金がでるわけでもない派遣ワーカーだったし、たくわえなんてあるわけないし。

そしてこの期に及んで、私いったいどうやって今後生活していくんだろう? なんてのんきなこと考えていた。

このモワモワしたtonka豆の香りをかぐとあのときの、不安でいっぱいだったころが(いまも不安はいっぱいですが)よみがえってくる。

でも、この初心に戻るような気持ちってときどき大事で思い出したくて、お守りのように、豆をときどき握りしめる。

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